キラキラしている人がいる
土井が教室から出ていくのを見て、次の授業の準備をしていると、小林が立ち上がるのが視界の端に見えた。
席順の都合上、視界に入ってしまうのは仕方がない。
今日何度その言い訳を繰り返しただろうか。
立ち上がった小林は、先ほど抱えて帰ってきたパンの袋をもって教室から出て行った。
…もしかして、土井に?
それとも他の誰かに?
その姿を見て、またあの痛み。
今日感じてきた中で一番深く突き刺さる痛みに耐えきれず、腕を枕に頭を沈めた。
もう見たくない。
また痛いのは嫌だ。
眠れはしなかったが、教師が声を掛けないのをいいことに、そのまま目をつぶったまま頭を起こすことはなかった。
顔を上げてしまえば、視界にあの姿がちらついてしまうから。
こんなに情けない自分に初めて出会った。
痛い、怖い。
まるで子どものようだ。