キラキラしている人がいる


「先輩、部活行かないんですか?」



昨日眠りが浅かったからか顔を伏せたまま寝てしまっていたようだ。


気付けば放課後、部活の時間だ。




「具合悪いんですか?」



目の前にいるのは、後輩。


俺に付きまとうのはやめたのではなかったのか。



周りに人がおらず、後輩はもう部活の格好をしていることから、様子を見に来たのかもしれないと予想する。





「今日は、休む。」



このまま部活にいったら土井に会う。



そしたら小林の話をされるかもしれない。


あの袋をもっているかもしれない。




それを確認してしまったら、きっと今日一日俺を刺し続けてきた痛みがまた襲ってくるだろう。


それは嫌だ。




「…わかりました。顔色も悪いみたいですし、ゆっくり休んでくださいね。」




にっこり笑った後輩は、教室に俺を置いて出て行った。




あんなに冷たいことを言ったのに、なぜまた話しかけてこれるのだろうか。



俺がもし小林に何か冷たいことを言われたら、きっともう話かけることはできない。




傷つくのは怖いことだ。

それなら関わりを持たない方がましだ。



時間がたてば、きっと痛みは消えていく。




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