【短編】泣き顔記念日


────ガチャ


「わ!これ新発売のやつじゃん!るい、これどうしたの?」


僕の部屋に入ってすぐ、机の上に置いてあったゲームソフトのパッケージを見て、七瀬が興奮してそれを手に取った。


「お年玉、後貯めてたお小遣い」


「うわ〜ほんと、コツコツ型だね〜!私はすぐどっちも使っちゃうからな〜!るいのそういうところまじで尊敬に値。ね!やってもいい?」


「うん」


僕がそう返事をすると、彼女はわーい!と喜びながら本体にソフトをセットした。


最近、友達と買い物したり遊んだりで全然僕の部屋に遊びに来なかった彼女。


だけど、時々ゲームするためにこうして僕の部屋にやってくるのは高校生になった今でも変わらない。




─────ずっと、変わらないでほしい。



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