東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
お気持ちはよくわかります。

大切な息子さんだからこそ、いい人と結婚して欲しいんですよね。

「一目会うだけでいいんです。

どうか、1度だけでいいから光明とお会いしてもらえないでしょうか?」

社長は私に言った。

「い、1度だけですか…」

「お願いします、1度だけでいいからお会いしてください」

社長は躰を2つ折りにして私に頭を下げた。

「えっ…いや、待ってください!

頭をあげてください!」

私、そこまでされる身分ではありませんから!

1番上に立つ人に頭を下げられる理由なんてないですから!

「わかりましたわかりました!

1度だけ、1度だけ息子さんにお会いします!

それでいいんですよね!?」

早口で言った私に、
「ホントですか!?」

社長は勢いよく頭をあげた。
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