東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
どうしよう…。

午後の仕事に集中できる自信がない…。

土曜日に水族館に行く約束をしてしまった…。

副社長の微笑みに心臓がドキドキと鳴っている…。

ナオじゃないけれど、これはいわゆる“恋”と言うヤツだよね?

そう思ったら、私の頭の中で少し前に流行ったドラマの主題歌が流れ始めた。

残念ながらダンスはできないけれど。

「…あれ?」

私の視界に杉浦さんが入ってきたので声を出した。

あれ、会社で食べるとかって言ってなかったっけか?

何で外にいるんだろう?

そう思いながら杉浦さんに声をかけようとした私だけど、彼の隣に誰かがいることに気づいた。

黒髪ボブのキレイな女性だった。

杉浦さんと彼女は楽しそうに笑いながら手を振りあっていた。
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