きみは宇宙でいちばんかわいい
「ダメじゃん。入国早々、あんなナンパに捕まってたら」
「えっ? そ、そうだったの……?」
「ううん、ごめん、嘘。すげー親切な人だった。『ひょっとして迷子?』って、心配してくれてたよ。きなこちゃんのこと、小学生くらいの子だと思ったっぽい」
「ええ……?」
わたしってそんなに子どもっぽいのかと、さっそく心が折れそうになる。
でも、西洋の人にとって、日本人の女の子がかなり幼く見えてしまうのは、けっこう普通で、しょうがないことなんだって、彩芭くんは簡単に解説してくれた。
「大丈夫だよ。『彼女は17歳で、ぼくのガールフレンドです』って、ちゃんと言っといたから」
“ガールフレンド”という聞き慣れない単語に、どきどきしている暇もない。
美しく微笑んでいた顔が、ほんの少し意地悪になったかと思えば、今度は嬉しそうにクシャッと笑って。
「𝑊𝑒𝑙𝑐𝑜𝑚𝑒 𝑡𝑜 𝐿𝑜𝑛𝑑𝑜𝑛! 来てくれてありがとう。めちゃくちゃ会いたかった!」
彩芭くんは、わたしの手を取ると、強く指先を絡めたのだった。