170回、好きだと言ったら。
小野瀬さんの言う通りだ。
テルくんにお土産を買って帰ろう。
そう決めたあたしはとりあえず小野瀬さんと二人トランプを始めた―。
それからあっという間に修学旅行は終わってしまい、東さんと連絡先だけ交換をして、あたしは久しぶりの我が家へ足を運んだ。
家に帰ると見慣れない靴に一瞬飛澤さんかと震え上がった。が、飛澤さんが履くには少し地味な靴に首を傾げると、リビングから単身赴任でいないはずのお父さんが現れた。
「ええ、お父さん!?」
「お、みーちゃん! いやー帰ったら誰もいないもんだから驚いたよ!」
「しゅ、修学旅行に…それより連絡してよ…」
「それは悪かった! それよりみーちゃん久しぶりに外食とか行かないか?」
「外食…行きたい…!」
今日は特に飛澤さんに呼び出されていないし修学旅行から帰ったと言って、一々報告しなくてもいいだろう。