170回、好きだと言ったら。



病院を前にして俺は携帯の電源を落とした。


…手術を受けるために、これから俺は一人で闘わなければならない。
実衣の隣に戻るためだ。


俺は必ず生きてみせると決心して、病院に足を踏み入れたのが―…修学旅行まで100日を切った時である―。




病院で免疫力を高める為に様々な運動をしてみたり、規則正しい生活をしたりと、一日があっという間に過ぎた。

その間に、実衣が苦しんでいたなんて露知らず。
見舞いに来た佐久間は話すのが面倒だったためすぐに追い出したが、170日なんて目を閉じて開ければすぐそこのようなものだ。


何か言いたげだった佐久間を無視して、ただ俺は生きるために必死に頑張り続けた。


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