170回、好きだと言ったら。



屋上に着いてお弁当を広げると、小野瀬さんは困ったような表情で笑った。


「時々、沖宮さんって泣きそうな顔で考え事してるよね?
隠し事とか苦手そう」

「そんな顔してた!?
あたしお兄ちゃん譲りで嘘つくの下手だったから…」

「お兄ちゃん?」


…あ、普通に言葉に出してしまった。
どうしよう、と頭を抱えていると、小野瀬さんがあたしにウサギの形をしたリンゴを差し出した。


「わたし、料理好きなの。
沖宮さんは趣味とかあるの? 今思ったんだけどね、わたし達順番とかすっ飛ばしていたと思うんだ。
一つずつでいいから、色んな話しようよ」

「本当小野瀬さんって優しすぎる、そうあたしは思うよ…。
うん、一つずつ話するね。あたしの趣味は…あれ。何だろう。買い物に行く…?
ご飯を作るとか…、よく考えたら……何だろう?」

「っぷ! ふふっ、沖宮さんって本当に面白いね…!
買い物に行くって主婦みたい…!!」

「あたし自身もそう思った…。あれ、いつの間にか主婦みたいだなーって」


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