170回、好きだと言ったら。



そういえば―、あたしのお兄ちゃんも雨の日にバイクに乗っていたことを思い出した。

事故に遭った日も、土砂降りの雨で。
どうしてバイクに乗るのかと聞けば、お兄ちゃんは今にも家を出そうな足を止めて振り返ったんだ。


《みーちゃん、雨は嫌い?》

《…キライ。学校早く終わっちゃって、家で一人ぼっちだもん。
テルくんはあたしと遊んでくれないし…》

《そっか、でもお兄ちゃんは雨が大好きなんだ。みーちゃんにもいつか分かるよ。
ちょっとしたスリルが凄い楽しくなっちゃうような時期が来たらね。ま、みーちゃんは勝手に外出たら駄目だよ?》

《はあい! その代わり、お兄ちゃん早く帰ってきてね!》

《勿論! すぐに帰るから。みーちゃん好きだよ》


お兄ちゃんはとても優しい。
あたしのことをみーちゃんって呼んで、楽しいことが大好きなお気楽な人で。
だからこそ沢山仲間が出来たんだろうし、いつだってお兄ちゃんは人気者だった。


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