170回、好きだと言ったら。
隙間なくテルくんがあたしを抱きしめると、それが答えなんだと分かってしまった。
テルくんは昔、結核に感染して死ぬ可能性があった。元々身体が弱かったせいで免疫力が低かったそうだ。
その時から医者に言われ続けた言葉は「君は長生き出来ない」だった。
あたしはそれを聞いて知らない振りをした。
受け止めてしまったら、テルくんが長生き出来ないのを認めてしまうような気がして。
ずっと見ない振りをしていたのに。
最近咳が続いているし、学校に来ることも少ない。
サボりだとか言って病院に一人で通っているのだろう。
あたしのお父さんは単身赴任で殆ど家に帰って来ない。お兄ちゃんがいなくなった時から男手一つで育ててくれたようなものだ。
お母さんはずっと身体が弱くて、あたしが生まれてすぐに亡くなってしまった。