そのくちづけ、その運命
雨ふり
そのときがきた。

午後5:30。

退勤のあいさつをして店を出る。


あれ、どこだろう。お店の駐車場で待ってるって言っていたけど。

「みこっちゃん!」

……あぁ。

私はもうこの人のドツボにハマってしまっているのかもしれない。

好きだ、この顔。

あどけないその笑顔をずっと見ていたいと思ってしまう。

「バイトお疲れ」

そう声をかけてくれる彼に、私は。

「お疲れ様、です。真人くん」

言ってから、
何とかそう口にできたことに安堵して顔が急激に熱くなるのを感じる。

ま、なと、くん。真人、くん。真人くん。


おそるおそる彼の方に視線を向けると、

彼はとても幸せそうな顔をしていた。

「ありがとう」

今度はハハっと声をたてて笑う。

「やばい、オレ顔変じゃない?とろけちゃいそうなんだけど」

「知らないよ、そんなこと!」

思わず突っ込む私。

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