私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
彼が、とっても真剣な顔をしている。
真面目なこと言わなきゃって顔して私を見る。
「雑誌のインタビューで結婚したこと公にしなかったのは、君のためだって、そろそろ信じてくれた?」じーっと私を見つめる彼の瞳。
完全に信用してないだろう?
どこかで俺のこと疑ってるだろう?
そんなのとっくに、気が付いてるぞという目だ。
俺のこと信用できないわけじゃない。
信用できないんじゃない。
信用するには時間がかかるんだ。きっと。
何とか、お互いに気持ちを見抜こうとするけど。
お互いの舌っ足らずの言葉ではうまく伝えられない。
本当にもどかしい。
あのね。
わたし、とっくにあなたのこと好きなんだけど。
そんなふうに言うのは簡単だけど。
それを聞いたあなたは、急に安心して私のことなんか見なくなる。
妻のことなんかどうでもよくなる。
気持ちを伝えても、その気持ちが伝わるかどうかでまた不安になる。
バカみたいね。結婚してもこんなに不安だなんて。
そう言って、笑い飛ばしてしまいたい。
けど、臆病な私は告白の代わりにこんなふうに言う。
「口だけじゃ何とも言えないわね」
口で説明できないのは本当だ。
すんなり言葉にできれば、どんなことでも苦労しない。
彼は、くすっと笑う。
「説明したのは、口だけじゃない気がするが……」
私は、思わず噴き出した。
「せっかく思いついたジョークなのに。笑うなよ」
彼がいつの間にか覆いかぶさって来て、キスをしてくる。
あなた、こんな冗談も言うの?
普段の真面目な彼から、決して見られない顔。
嬉しい。彼の方から近づいて来てくれるなんて。
あなたと結婚出来て、最高だと思う。