私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
 土曜日、私は智也と二人で出かけた。

智也が一緒に来ることを、最後まで拒んだのだけど。

何かあったらどうする?

自分は近くで見ているから、一緒行くと言って聞かなかった。


指定されたマンションまで来て立ち止まった。

彼女の家は、窓の形が特徴的なデザイナーズマンション。
20階はありそうな背の高い建物だった。

「本当に、一人で大丈夫か?」智也が後ろから声をかけてくる。

「うん」

「すぐ近くにいるから、
何かあったら電話しろ」

「うん」

私は彼に見送られて、建物の中に入って行った。

井口真木子が、私にどんな用があるのだろう。

どんな理由かは考えたくなかった。

10階のフロアまでエレベーターで上がり、部屋の呼び出しのベルを鳴らす。


すぐに返事があり、中から女性が出て来た。

「岩槻さんね?」

「はい」

女性は、髪をきっちり一つにまとめていた。

彼女は私を見ると、神経質な笑みを浮かべてから、どうぞ中に入ってと言った。


痩せた、線の細い人だと思った。

全体的に華奢で、ウエストが細い。

この人が、高陽さんの好みなんだろうか?

ピンとこない。

「よく来てくれたわね。私のこと、高陽さんに聞いてる?」

彼女は振り返って言う。

「いいえ、彼は出張中で留守なんです」

「まあ、そうなの?」




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