私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「奈央、それより、これを見て。
結婚指輪ようやく出来上がったんだ。これを渡そうと思って早く帰って来た」
高陽さん……
どうして、これを今渡してくれるの?
どうして今なの?
「高陽さん、指輪は受け取れない。今、それをはめるわけにはいかないもの」
嬉しいって、言えるわけない。
「どうして……そのことと、結婚することは別だろう?」
彼の顔がだんだん暗くなる。
「お願いだから、そんなもので誤魔化そうとしないで」
「そんなものとは、なんだ。君は、結婚を何だと思ってる?」
「それなら、私たち、本当に結婚してたって言える?
あなたは、あの女に自分の家を貸してるのよ。
それだけじゃない。
ここに来る前には、あの人と一緒に住んでたんでしょう?
だったら、それをどうして否定するの?」