私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「これ、持ってきてしまったの。奥様のものでしょう?」
小さな箱を渡してくれた。
「しげさん、これは……」
「これも、一方的に1人で決めたように思うでしょう?
あれでも、雑誌を見たり、周りに聞いたり、どんなものが流行ってるのか、いろいろ調べて散々考えて選んだのよ。
奥様を連れてジュエリーショップに連れて行けばそれで済むのにね。
断られたらどうしようって、店に行こうってあなたに言えないのよ。
本当におバカさんでしょう?」
高陽さんが渡してくれた箱を手にしてると、彼の想いが伝わってくるようだった。
あんなに忙しいのに、一生懸命選んでくれたんだ。
プロポーズする時だって、そうだった。
唐突だけど、一生懸命なのだ。私の愛する人。
「でも……」私はしげさんの前でワーワー泣いた。
子供の父親を取り上げてまで、続けなければいけない関係だろうか?
夫婦と言っても、形ばかりなのだ。
「子供から、父親を取り上げるなんて……」
戻りたい。彼の温かい胸に。
「だから、おバカさんだって言ってるのよ」
優しくしげさんに頭をなでられて、少しだけ気分がすっきりした。誰かにわかってもらえた。それだけで、心が少し落ちついた。