私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「塔子?」ええっ?

「そうみたいだね。台風の目がやって来た」

高陽さん、笑ってる場合じゃなくて。

バーンと扉が開いた。

秘書を何人も引き連れて、あの人が入って来た。


「ひっっさしぶり―。元気だった?」


ああ、我が母親ながら相変わらずぶっ飛んでる。強烈だ。

膨らませた髪をなびかせて、派手な服装をしている。

まるでバブリー女の生き残りみたい。

50歳をいくつも超えてるくせに、
やたら声がでかくて元気がいい。

「奈央ちゃん!!久しぶりね」

今までの空気を母が一掃してしまった。

私は苦笑いする。

もう少しで泣きそうだった。

少しでも、彼の姿を目に焼き付けたくて。

その場を立ち去ることが出来なかった。



母は、つかつかとフロアを歩いてきて、
私に抱きついた。

「奈央ちゃん!結婚したんだってね。
おめでとう!
ママは、結婚式に間に合ったのかしら」

私と高陽さんは、お互いに苦笑いする。
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