私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「母さん、感心するとこ違うから」

母は、ちっちっと指を左右に振って、私のおでこに指を当てる。

「だって、ねえ。このくそ真面目男が、たった一カ月でスピード離婚よ。
これから、離婚君って呼んじゃおうかしら。
おもしろ―い」

本気で笑い転げる母。


私たちは呆然と、なすすべもなく、母のことを見ていた。

「高陽ちゃん、どうしてなの?
私の娘が、そんなに気に入らなかったの?
まあ、私ほど美人じゃないし。
野暮ったいものねえ」と頷く母。

「もう、帰るよ。母さん。
用事は済んだみたいだから」

私は、いたたまれなくなって、母を連れて立ち去ろうと思った。

「んで?本気で離婚するの?あんた達」
私が引っ張っても、びくともしない。

母は、腕組みして言う。


「奈央さんがそう望んでますから」

「奈央は?」

「高陽さんが……」
感情がこみ上げて泣き出してしまった。

どうしてこんな時に母に乱入されて、引っかき回されるのだろう。

母に言い返す元気もなく、うつ向いていると、

「大丈夫か?」と高陽さんが、駆け寄ってきて私を優しく引き寄せてくれた。

自分のハンカチをそっと出して、涙を拭いてくれた。

「あああ、いけないねえ。女の子泣かしちゃったじゃないの、高陽」

「塔子叔母、お願いですから、
面白がらないでください」

高陽さんの手に力が入って、私の肩に伝わった。

彼は、私の為に怒ってくれてる。

「面白がってなんかいないわよ。
どうして離婚なんってことになったのか、
きちんと説明しなさいよ、離婚なんかするくらいなら、何で結婚なんかしたのよ。
この、義理の息子め」
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