私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「俺が悪いんです。それでいいでしょう?」

高陽さんは、そう言って口をつぐんでしまった。

「まあ、そうだろうね。で、品行方正で、判で押したような真面目人間がどんな悪さしたの?」

「何でもありません」高陽さんも、決して話そうとはしない。

反論しない代わりに、
彼は、私を母から守るように、
しっかりと胸に抱いて守ってくれている。

「なにもないのに離婚するの?
それなら、奈央、慰謝料たんまり取ってやりなさい」

「母さん」

ちゃんと彼の話を聞きたい。
茶化されるのは嫌だった。

「あなた、旦那に手をあげられたの?
どこか殴られてるとか?」

母は、私の方に詰め寄って、
顔や首筋など肌が見えている場所を
確かめようとした。

「そんなこと、するわけないでしょう?」
高陽さんが、母から私を取り戻し、母を睨み付けた。

「それじゃあ、
なんで別れようとするの?

奈央、もしかして、
他に理由があったの?
例えば…………
まさか、性的指向で悩みを抱えてるとか?
そういう趣味があるなら、生理的に
無理だって言うのも頷けるわね?」

「母さん、違うって」

面白がって高陽さんの悪口を言われると
腹が立った。

誰であろうと、
彼のことを悪く言ってほしくない。
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