私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
高陽さんを、お人好し、バカと罵ってから母は付け加えた。
「それで、彼女は今、あなたの部屋に住んでるのね?」
「すみません」高陽さんが頷く。
「どうして、分かるように言ってくれなかったのよ」
私は、高陽さんの肩をこぶしで叩く。
「ずっと、違うと言ったじゃないか」
彼がふて腐れたように言う。
「それだけじゃわからないでしょう?」
「ごめん。違うと言ったのに、聞いてくれなくて。
何を言っても無駄なような気がして。
君に怒られると、恐くて体がすくんでしまって」
「どうして怖いだなんて言うの?」
「このお坊ちゃんはね、人に責められるのに慣れてないのよ。
そこんとこ、打たれ弱いからこれから注意しておいてね」
母が答えた。
「お母さん」
「ねえ、それより、高陽さん。あなたの大切な義理の母さんは、今夜、どこに行ったらいいの?」
「家に来てください。
部屋なら、たくさんありますから」
「ホテルの方が……」
「何泊もするんでしょう?」と私。
「わかったわよ」
母は、遺影になっても祖父に遠慮している。
「いい加減、家の敷居をまたいでください」
高陽さんが、やり返した。