私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
どこまでドライブするの?

遠くだったらどうしよう。

どこに連れていかれるのかって事よりも、このままずっと黙っていなきゃいけない方がつらい。

なんて思って、不安になりかけてた頃、車は十数分のドライブで目的地に着いた。

車に乗り込んでから、あっという間だった。

あっけないほど近くで降ろされたのだ。

けど、すぐに目的地に着いたことにほっとする。


着いたのは、住宅地の中だった。

ゆったりとした敷地が並んでる高級住宅地。

こんなところに何の用事があるの?

彼の横顔を見て、何度も尋ねそうになる。


高陽さんは、その中の一軒の家の前で車を止めた。

辺りは暗くなっている上に、広い敷地の周りに塀があり、その内側に林のように木が植えられていている。

敷地の外から見た限りは、中の様子はまったく見えない。

ここ誰の家よ?


高陽さんは、いったん一人で車を降りて様子を見に行った。

敷地の端にある駐車場のところまで行って、引き返してきた。

世間一般からすればこの辺りの住宅は大きい。

その周囲の家と比べても、広い家だっていうことがよくわかる。

高陽さんは、家の脇にある駐車場に車を止めて、乗った時と同じようにドアを開けてくれた。

「ここは……」

「家だよ。これから住む家」
相変わらず、ぶっきらぼうだ。

彼は玄関からではなく、自分の家のように駐車場から敷地に入って行く。

彼に続いて歩いていくと、別荘のような建物が見えてくる。

「新居ですか?」

「新居というには古びて全然新しくないけどね」

「古いだなんて。すごく素敵だと思います」
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