私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~

「こっちは一人で大丈夫だから、部屋の掃除でもしてろよ」

段ボールも片付き、部屋の中がすっきりした。

智也が力仕事を引き受けてくれたので、私は荷物を箱から取り出して並べるだけだった。

畳も部屋に置かれている和箪笥も新品だったから、殆ど掃除する所がない。

当面必要なものを部屋に並べ終えると、昼過ぎには作業が終わった。

智也、引っ越し業者でもアルバイトしたことあるんだろうね。

この無駄のなさは、素晴らしい。

何でもできる奴。結婚したらいい婿になるよ。


「お腹減ったね。何か食べようか?」

「ん」智也は、来ていた上着を脱いでTシャツ一枚になっていた。

私は、きれいに片付いた部屋の中を見回した。

今日は、文句を言いながらもよく働いてくれた。

段ボールを押し入れにしまってくれるのも、智也が全部やってくれた。

 勉強ばかりしてる非力な男の子だったくせに、いつの間にか段ボールを軽々と持ち上げられるくらい逞しくなっていた。

嬉しくて、肩をポンポンと叩いていたら、気味が悪いからやめろと言われた。
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