私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~


何が起こったの?

彼は、私の事を畳の上に押さえつけ、怖い顔して見下ろしている。

蛍光灯の明かりの逆光で、高陽さんの顔はさらに恐ろしい事になってる。


「この結婚が、君の意思を伴ってないのは、よくわかってる。

でも、お前は俺の妻だ。
いくら妻でも、この俺を侮辱するのは許さない。絶対にな。
たとえ形だけの夫婦でも、対面は保ってもらわないと困る。分かるね?」

「対面……」彼の指が、私の肩に食い込みそうになってる。


言葉は丁寧だけれど、声が低くこもった声でとても冷たく聞こえる。

この人は、怒ると言葉が丁寧になる。

怒ってるのは、分かったけど。


私を押さえつけて、脅してどうするつもり?


「今後、君は、俺以外の男と、関係を持つのは許されない」


「はあ……」浮気はするなっていうことですか?

浮気って、誰に向かって言ってるのよ。


彼氏もなしで、一人で何年頑張って来てると思ってるのよ。

脅されたって、言いなりになるもんですか。

私は身をよじって抵抗する。


「奈央、結婚したからには、お互いに貞操を守る義務がある。
俺も一生、他の女性に手を出すことはない」

私は、彼に押さえつけながら息をのむ。



そ、それマジですか?

不倫も浮気もするつもりないってことですか?


そ、そんな事言っちゃっていいんですか?

そんなこと言うと……
離婚しない限り、あなたは一生、私しか相手にしないことになりますが。

「ええっ、それは……」

あんまりじゃないですか?若いのに。

そんなにお金持ちだしモテるのに、誰も相手にしないないでみんな断るなんて。

高陽さん、それは、人生だいぶ損してしまいます。

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