私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「いえ、あの。私は、別にそんなに厳しくするつもりは……」
「結婚したんだ。当たり前だ。俺は、妻以外の女は抱かない。
会社のトップに立ち、それなりに社会的な地位についている。
その俺が、結婚した途端に女あさりしたら、周りの人間はどう思う?
俺が築き上げて来たものがすべてが無駄になるではないか?」
「そ、そんな大袈裟な」
浮気ぐらいで、あなたの立場が悪くなったりしませんよ。それでも、浮気しないんですか?
や、やばいぞ。これは、本気か?
な、なんでこんなに恵まれて、女性だって選び放題だっていうのに、妻にこだわるの?
「奈央、なんなら、今から試してみるか?きっと、気に入るぞ」
「な、何をです?」
ここは、わざとらしくしらばっくれよう。
高陽さんは、面白そうに笑ってる。
「そういう時、ごまかすのは拒絶してないって事だろう?」
分かってるなら、言うな。
「いえ、でも……急な事だし」
ふわっと息がかかり気が遠くなる。
彼の息がかかると、めまいのようにくらくらする。お願いです。これ以上近付くのは止めて。
体の感覚がしびれて分からなくなる。
「あの、若造ならいいのか?」
きれいな長い指が喉元をかすめて、首筋に触れて来た。
「しばらく振りなんでね。ちょっと乱暴にさせてもらうよ」
パチンとシャツのボタンが飛んだ。
いつの間にか、ブラウスの前がはだけて胸元がすーすーしていた。
高陽さんの指が、首筋から着ていたシャツの襟を捕え引き下ろした。
あっという間に、上半身だけ服をはぎ取られた。
身体を覆うものがなくなって急に寒くなる。
身を縮めようとしたけれど、両腕を彼の手で押せられている。
身動きができなかった。