私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
そんなふうに悶々としていると、階段を上ってくる足音が聞こえて来た。
何?
こっちに来るの?
トントンとノックの音。
まさか、今すぐにさっきのリベンジですか?
た、たた……
どうしよう。
何でノックなんかするのよ、本当に夜這いに来たの?
居留守を使うか?
「居るんだろう?返事してよ」
窓から逃げようか。
真っ暗な外の景色を見る。
しまった。下の様子確認しておくんだった。
「奈央、お腹減ってるだろう?何か作るから、出ておいで」
食事の誘惑には敵わない。確かにお腹が減ってる。
腹減ってるからって、開けていいのか。
よくないだろう。聞こえないふりしよう。
聞こえないふり。ああ聞こえない。