「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。

受け取った缶コーヒーを一口飲むと、

「……聖哉さんって、飲み方が色っぽいですね…」

言って、唇に指で触れて、

「……コーヒーの味がする」

その指を、舌の先で舐めた。

「当たり前だろう……」

「……キスしたら、もっとコーヒーの味を感じる?」

オフィスチェアーに座っているのを、立ったままの彼女が覆いかぶさるように口づけてきた。

「……会社で、することじゃない」

と、唇を拭う。

「……意外と、常識派なんですね? これぐらいで、そんな風にも言うなんて」

クスリと彼女が笑う。



< 69 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop