【短】あなたの鍵が見つからなくて
部屋のカーテンからもれる光に包まれて、逆光が瑠佳さんをうつし出しているみたいで綺麗だった。
「自分で言うのはなんだけど、告白されることはよくある。そのたびに、誰かを傷つけてさ」
贅沢な悩みではあるけれど、瑠佳さんにとっては切実なんだろうな。
「恋人を作れば告白も減るし、傷つけることもないんじゃないかって言われたけどさ」
「好きな人なんていないし、恋人作れないって?」
「あー、まあ、そんなとこ」
だからって、あたしまで避けなくてもいいじゃない。
そりゃあ、本人も辛かったんでしょうけど。
「人と関わるの、疲れたから」