うちの執事は魔王さま
「では、少し行ってまいりますね」


「は?」



峰岸は教室のドアを開ける。


そこには待ち構えていたかの様に人体模型が立っていた。


「何者か」


カタカタと言わせながら人体模型は話した。



え!?てか、話せたのこいつ!!



「某(それがし)は月緋家の使用人、もとい用心棒なり!いざ、覚悟!!」



え......ナニコレ......なんかデジャヴ。



あの峰岸があんな喋り方するなんて...!!



【ルナは15のダメージをくらった。
ルナは新しい技を覚えた。『シツジ、ミネギシハ、サムライ』を覚えた。】




気がつけば、彼と人体模型はお互いの刀を交じらわせていた。




金属の乾いた音が鳴り響く。


「お主、中々の太刀筋だな」



「それはありがたい言葉でござる」


人体模型、峰岸が話す。


......なんだろう...私、この人たちと一緒にいたくない。



ルナは心底そう思うのであった。



「では、そろそろ決着といきましょう。我が主も暇を持て余しているようなので」



「なぬ!?」



峰岸が話終えるのと同時に彼の刀は人体模型を貫いていた。




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