うちの執事は魔王さま
3. 【七不思議編 音楽室の美少年】

「もっと集中してください。意識を中心に集めていくイメージです。」

「固くなりすぎです、もっと柔らかいイメージをもって!」

集中...柔らかく......しゅうちゅう...やわらかく......しゅうちゅー...しゅー...シチュー.....やわらかいおにく......おいしそうだな...

「かーつ!!」

「ぐべっ」

月緋邸の地下にいつの間に作られていたのか(些か不明なのだが)トレーニング室にて、月緋家の令嬢とその執事がその名と通りトレーニングをしていた。

なんのトレーニングかと言うとルナの秘められた力をコントロールするためのトレーニングだ。

そして今、時刻は深夜12時。

ルナは足を組んで意識を集中させていたのだが、途切れて峰岸に警策(きょうさく)で叩かれたのだ。
勢いの余りルナは床に顔を強打させた。

「どうして『集中』と『柔らかく』で『シチュー』と『柔らかい肉』が出てくるんですか。何なんですか、お腹空いてるんですか?その床でも食べていろよ」

「5時間もこればっかしてたらそうなるわよ!お腹空いて当たり前じゃない!食えるもんならお前が食え!」

額を抑えながらルナは叫ぶ。

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