うちの執事は魔王さま
翌朝。
「琴音、ルナのやつどうしたんだ?」
「分かんな〜い」
ルナは窶(やつ)れて学校に来ていた。
それもそのはず、結局寝たのは早朝5時でそれから2時間しか寝れていないのだ。
「な、なぁルナ」
ちえみがルナに声をかける。
「.........あは、蝶々が、飛んでる...あは、あはは」
「やべぇ。やべぇよ、琴音!ルナが完全にイっちまってる!!」
「わぁ、ルナちゃん蝶々見えるの?私も見たいなぁ〜どこにいるの〜?」
「......天然のこいつに言うのが間違ってた...」
と、ちえみは後悔するばかりであった。
予鈴がなり生徒達は席に着いた。
教室のドアが開かれて入ってきたのはつい数日前にやってきた新人教師、峰岸だ。
と言っても少しばかりの変装をしているだけのルナの執事である。
「皆さん、おはようございます」
挨拶をすれば女子からは黄色い声があがる。
「元気がいいですね。おや、1人元気じゃない子がいますね。月緋さん大丈夫ですか?」
わざとらしく声をかけてみれば完全に無視。
と、いうよりかは魂此処に在らず。である。
「困りましたね、誰か彼女を保健室に運んで
上げてください」
ここで名乗りをあげたのは朝比奈ちえみ、彼女の親友だ。
「私が行くよ、先生!」
「分かりました。では、お願いしますね、朝比奈さん」
少しばかり頬を紅に染め彼女を担いで行った。