先生、僕を誘拐してください。
「……ん?」
俺のこと、好き?
信号が点滅し出したので、前を確認したら奏は、ちょっと下を向いていた。
「だから、俺の料理、どれが好きあんだよ」
「……ああ、えっとツナマヨのオニギリかな」
「俺はコンビニか」
足で自転車を蹴られ、揺れた。
このやろう。何をするか。
「酷い! あんたらは人参のみじん切りはパーティーの飾りみたいに繋がってるし、メンチカツは中赤いし、レタスは一口大に切るのも下手だし、おみそ汁は薄いか濃いし」
「お前の方こそ酷いな。めっちゃ俺たちも頑張ってるんだぞ、これでも」