先生、僕を誘拐してください。


「……奏くん、また背ぇ伸びたよね?」
「確かに。なんか朝倉くんと並んでも小さくない」

というか、朝倉くんに印象最悪なせいかな。格好いいとさえ思う。
私、あの人とデートするんだ。

近くで見る分には平気なんだけど、客観的に見ちゃうとどうしても格好よく見えてしまうから不思議。

「よぉし」
真由がノートを破ると、紙ヒコーキを折りだした。しかも携帯を取り出し、複雑な折り方を検索し先が曲がった不思議な紙飛行機を造り出した。

「それどうするの?」

「奏に投げるの。そいつから離れろって書いたから、読んでくれたら一石二鳥よ」
「真由……」

あれはたぶん生徒会の話をしているから仕方ないんじゃないのかな。
「なによ。大事な弟分が毒牙に噛まれてもいいの?」
「うーん。なんかその言い方違う気がする」
「まあいいからいいから」

せっかく冷房が入って涼しい教室の窓を開けて、紙飛行機を空へ飛ばす。

すると紙飛行機はひらひらと上手に奏のほうへ落ちていく。

「奏、ラブレターだよ」
真由が叫ぶと、奏は顔を上げた。
そして手を伸ばすが、紙飛行機はさらりと上へ逃げる。

それをスマートに捕まえたのは、朝倉くんのほうだった。

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