先生、僕を誘拐してください。


今日は終業式だけのはずだった。
明日から夏休みで心躍るわけもなく、明日からの集中夏期講習なるものの時間割が配られた。

週五、四時間しっかり授業があり、昼からは自習。
この自習の時間は塾に行く人は免除されるらしい。

私は受ける気はなく、推薦入試の人たちに混ざって面接の練習だ。


「受験しないからよかったけど、この授業の時間割やばいよね」

真由も私と同じ気持ちだったのか、時間割を見てすごく嫌そうな顔をしている。

「推薦で落ちたらあんた夏講習だけじゃ大学無理だよ」
「それ言わないでよ。面接だけのほぼ決定のコースだってば」

と言いつつも動揺しているのか、ストローを反対に刺して紙パックのジュースを飲みだした。

「今日、三者面談なんよね……」

「うん。敦美先生なら大丈夫。美空がちゃんと本音を言えばそれ以上は突っ込んだりしないよ」
「本当かな」

口先だけで、就職先を見つけていない自分が言うのもなんだけど、やりたいことはこの際後回しにする。高給な仕事先が見つからないから困ってるんだよね。

< 135 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop