先生、僕を誘拐してください。
「早く、美空を守れるような、……俺に甘えて泣いてくれる様な、そんな頼りがいのある男になりたかった」
「え、う、うん……?」
「だから焦って苛々してた。以上! もうこれ以上格好悪いこと言わせんなよ」
「は、はあ……」
全然格好悪くないのに、なんで真っ赤になってるの。
知らないだろうが、君の本音はもっと恥ずかしいぞ。
窓辺でしくしく泣きながら、私の事を先生と呼ぶんだぞ。
「守ってくれるの?」
帰ってくる言葉はなかったけれど、代わりに真っ赤な顔で頷かれた。
「一緒に敦美先生に謝ってくれる?」
「それは、自分で言えよ」
ぷっと、和らいだ声で笑われて私も、少しだけ緊張していた頬を緩めた。