『誰にも言うなよ?』
*
それから、数日がたった。
今日も放課後当たり前のように教室まで迎えにきてくれた雅人と、うちに向かっている。
「雅人」
「ん?」
「ここで、いいよ?」
「いや。家まで送るよ」
「でも……」
「俺が決めたんだから。素子の彼氏になるって」
“仮”の、彼氏なのに。
こんなに徹底しなくてもいいんじゃないかな……?
「……無理、しないでね?」
あくまで利害関係が一致している仲間というだけなんだし。雅人にだってはやく帰ってやりたいこととか、あるんじゃないかな。
ここまでしてもらうの、申し訳ない。
「なあ、おかしくないか」
「え?」
「その自転車」
雅人に言われて異変に気づく。