『誰にも言うなよ?』


「……ざけんなよ」


(……!)


「そんなに余裕あんのかよアイツ」


(雅人……怒った?)


しばらく無言で歩いているうちに

家の前に、到着した。


「お前の中にある狼谷への気持ち全部、今すぐ消してやりたい」

「!」

「どうすれば俺のこと意識してくれる? キスでもすれば揺れてくれる?」

「えっ、」


じっと、雅人に見つめられる。


「……素子のこと好きすぎて狂っちまいそう」

「まさ――」


近づいてきた雅人に、そっと抱きしめられた。


「俺、素子が思うほど優しくもないんだ」

「…………」

「友達って思われる前に。回りくどいことせずに迫ってたら結果は違ってたかなとか。そんな考えが頭の中ぐるぐるしてる」


返す言葉が見つからない。


「だけど俺は絶対素子のこと傷つけたくはないから」


そういうと、わたしから身を離す。


「変わらずに接してくれるとありがたい」

「うん、」

「また明日」

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