『誰にも言うなよ?』
なんて下品なこというのこのひと。
「だってさ。帰る? モトコ」
「まさか」
ここまできて、しっぽ巻いて逃げたくない。
「モトコ帰らないんだって、カミヤ」
「帰れ」
「モトコはね。マナミって子が心配なんだ」
「お前らがいたら足手まといだ。いない方がいい」
(……!)
「おい銀髪。モトコを早急にここから連れて行け」
「ボクに預けて心配じゃないの? なにかしちゃうかもよ?」
するなバカ。
「はは。今のお前なら心配でもねぇよ」
「……ヘンな教師」
さっきまで薄笑いしていたレオがポカンとしている。
「ここにいつまでもいられるよりは、銀髪小僧の隣が安全だ」
「ふぅん。まるでこれから戦争でも始めるみたいだねぇ」
「わかったなら行け」