『誰にも言うなよ?』


なんて下品なこというのこのひと。


「だってさ。帰る? モトコ」

「まさか」


ここまできて、しっぽ巻いて逃げたくない。


「モトコ帰らないんだって、カミヤ」

「帰れ」

「モトコはね。マナミって子が心配なんだ」

「お前らがいたら足手まといだ。いない方がいい」


(……!)


「おい銀髪。モトコを早急にここから連れて行け」

「ボクに預けて心配じゃないの? なにかしちゃうかもよ?」


するなバカ。


「はは。今のお前なら心配でもねぇよ」

「……ヘンな教師」


さっきまで薄笑いしていたレオがポカンとしている。


「ここにいつまでもいられるよりは、銀髪小僧の隣が安全だ」

「ふぅん。まるでこれから戦争でも始めるみたいだねぇ」

「わかったなら行け」


< 229 / 540 >

この作品をシェア

pagetop