『誰にも言うなよ?』
レオの言葉に、心臓が大きく動いた。
「は? なに言って――」
「カッコよく登場してもらおうよ。ボクがモトコと出逢った日みたいにさぁ」
待ってよ。
「先生を、ここに呼べっていうの……?」
なんで?
いきなりすぎる。
「カミヤならこの状況を迅速にまとめられると思うなぁ。警察よりもずっと」
「無茶なことさせたら先生が捕まっちゃうかもしれない」
「そのへんは大丈夫じゃない? 数々の修羅場をくぐってきただろうから。それはもう、計り知れないほどに」
「だけど……呼んで来るとは思えないし」
「来るでしょ。モトコのピンチなんだよ?」
「あの男は、消えたの。戻ってなんて来ないよ」
アイツはこの学校にもう用なんてない。
わたしとは、無関係になった。
「それはどうかなぁ」
「……え?」