『誰にも言うなよ?』
「適当なこと言うなよ。証拠あんの?」
菜々が千夏を煽る。
愛美のようにフォローしてくれているわけではなく単にこの状況を楽しんでる様子だ。
「……ある」
そんなの、あるわけない。
言いがかりだ。
どうして千夏……。
ピコン、ピコンと
電子音が教室内に響く。
この音、知ってる……。
メッセージが届いたときになる音だ。
マナーモードにしていない連中は授業中にさえ鳴らしている。
「ねえ、これ」
「あたしのも」
「……ほんとなの?」
クラスメイトたちがスマホを確認したあと、わたしを見てくる。
――視線が、突き刺さる……。
「なにが届いたのー?」
レオが隣の女子のスマホをのぞき込んで目を見開く。
「それが証拠だよ」
千夏の言葉は、氷のように冷たい。