fantasista








仙台は雨だった。

スクリーンに映った緑色の芝を、大粒の雨が濡らしていた。

そんな中、中継は始まった。





雨に打たれフィールドを歩く彼から目が離せない。

短い髪が雨に濡れ、ぺたんと顔に張り付いていた。

それがなんだかセクシーで、一気に体温が上がってしまう。

青いユニフォームを通して、その鍛えられた肉体が浮かび上がる。

そして……

あの夜のことを思い出さずにはいられなかった。




戸崎の行為がトラウマになっているのに、確かにあたしは戸崎に抱かれたいと思った。

このトラウマに、あたしはどう立ち向かえばいいのだろう。

自問自答している時に、試合開始のホイッスルが鳴った。



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