fantasista
だけど、ものごとには必ず終わりが来る。
戸崎の部屋は見事に片付いて、
「お前すげぇな」
感激したように戸崎は言う。
「オトコオンナのくせに、家事は出来るんだな」
オトコオンナ……
その言葉に、一瞬ずきんとした。
戸崎は昔からあたしをそう言った。
そして、戸崎が抱いていたあの女の子は、オトコオンナとは程遠い可愛いタイプだったから。
そんな邪心を振り払うかのように、あたしは首を振る。
「なぁ……」
戸崎はベッドに座ったままあたしを見る。
その視線があまりにもまっすぐで、熱を持った顔を逸らした。
それでも戸崎はあたしを見ていて……
「山形。俺と一緒に住まないか?」
衝撃的なことを告げた。