fantasista
そして……
「あたしを会社の前で待ち伏せするの、禁止」
戸崎の家に着くなり、あたしは奴を睨んで言った。
戸崎はソファーに寝転がって漫画を読んでいて。
「……はぁ?」
顔を歪めてあたしを見た。
そんな戸崎に言ってやる。
「あんたと付き合ってるの、バレた」
「バレちゃ駄目なのかよ。
俺は知られて嬉しいけどな」
戸崎は口角を上げて得意げに言う。
そういうの、すごくずるい。
かっこよくて運動神経抜群の戸崎とあたしじゃ、いつも貶されるのはあたしだから。