fantasista




寝転がる戸崎にドロップキックでもお見舞いしてやりたくなる。

それをぐっと我慢した。

そして、買ってきた食材を入れようと、おもむろに冷蔵庫の扉を開けたあたしは……

絶句していた。





カップラーメンを食べていた戸崎だから、冷蔵庫は空っぽだと思っていた。

だけど、冷蔵庫にはいちごミルクやらプリンやらが大量に詰まっている。

おまけに、冷凍庫にはいちごアイスだ。







「あんた、いちごなんて好きだった?

そんな乙女だった?

……てか、何この量」



びっくりして聞くあたしに、



「昨日両親が来て、お見舞いとか言って置いてったんだよ。

まぁ俺、密かにいちごは好きだけど。

あいつら頭悪くてうぜー」




戸崎はそんなことを言っていたけど、なんだか嬉しそうだった。
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