fantasista
手際よく料理を作るあたしを見て、
「山形って、マジで家事出来るんだな」
戸崎は感心したように言う。
それが嬉しくて、もっともっと頑張って作ろうと思ってしまう。
我ながらびっくりだ、こうも戸崎に尽くしているなんて。
「オトコオンナのくせに、すげーな」
「一言多い。
そのオトコオンナの力で殴り飛ばしてあげようか」
「怖ぇー……
お前、プロレスラーにでもなったら?」
戸崎はそう言いつつも、壁に寄りかかって興味津々にあたしを見ていて。
戸崎に見られていると思うだけで、身体が強張り手が震えるのだった。