fantasista
「結婚したら、こんな毎日なんだろうな」
突然そんなことを言われ、喉にご飯を詰まらせそうになった。
真っ赤な顔で戸崎を見る。
ヤバイ……
戸崎はまた、甘々モードに入り込んでいるのだろうか。
あたしはぐっと口を噤む。
それにしても、結婚だなんて!
「いいなー。結婚かー」
わざとらしく言う戸崎を無視してやった。
結婚なんて、今はまだ考えられない。
だって、あたしは戸崎にこうも虜にされていて、一緒に暮らすなんて身がいくつあっても持たない。
それだけでなく……
出来ないからだ。
あたしは、戸崎に抱かれることが出来ない。