fantasista
「すすすすみません!」
慌てるあたしを
「珍しいわね、みどりちゃんがぼーっとしているなんて」
舞さんは心配してくれる。
そんな舞さんに、元彼のことで悩んでいたなんて言えるはずもなく。
大丈夫ですと元気を装って答える。
「そっか。
みどりちゃんが大丈夫ならいいけど……」
そう言って舞さんは、遠慮がちにあたしに聞いた。
「みどりちゃんって、サッカー部のマネージャーだったんだよね?」
「えぇっ!?……はい!」
慌てて返事をする。
それにしてもタイムリーな話題だ。
舞さんの言葉に、戸崎を思い出さずにはいられなかった。