fantasista







「あの……戸崎、おかしくない?」



遠慮がちに聞くあたしに、



「卒業してからずっとあんな調子だよ。

超つまんない男になっちゃった」



愛がやっぱり興味なさそうに言う。

こんな愛、昔は戸崎が大好きだったのに。

柊柊と、金魚のフンみたいに戸崎を追っていたのに。




「あたしなんて名前忘れられてた」



沙知は不満げに言った。


< 161 / 244 >

この作品をシェア

pagetop