fantasista
「柊!相変わらずかっこいいわよね」
毎年開かれる忘年会で、高校時代の如く女子に囲まれた。
みんなそれぞれおしゃれをしてきて綺麗だ。
ここに山形がいたら、なんて妄想していた。
あいつは今、どこで何をしているんだろう。
まだ爽やかなショートカットなのか?
俺の大好きな黒髪なのか?
その髪に、触れたい。
「……なぁ、お前ら」
俺は女子たちに聞いた。
「お前ら……山形がどこにいるか知らねぇ?」
女子たちは一瞬驚いた顔をした。
そして、顔を見合わせる。