fantasista





「散々お前を裏切って傷つけたのに、お前は俺のもとに帰ってきてくれた」




戸崎の声が甘く切なく響く。

そしてそれが、甘く高鳴るあたしの胸に突き刺さる。




「裏切ったのは、あたしだよ」





昨日の出来事を思い出すと、また涙が出てきそうだった。

もう泣いてはいけないと思うのに、目頭が熱くなる。

そんなあたしを戸崎は抱き寄せた。



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