溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「あーぁ、ほらそうやって俺を放っておく。そんなに小泉先輩が好きなら、早く結婚したらいいのに」
「……サンプリングマリッジが終わったら、結婚しますよ」

 散々、私に好意を伝えてくるくせに、やっぱりサンプリングマリッジの間だけの関係なんだ。
 永井さんの心の中には、私がいるんじゃない。七瀬さんがいるんだ。
 知り合うよりももっと前のいつからか……永井さんが忘れられない思い出を共有しているんだ。


「そういう意味じゃなくて……。ごめん、今のは完全に俺のヤキモチ」

 いくら妬かれたって、彼の心にあるのは忘れられない七瀬さんとの時間。
 ほんの少し悔しさに似た感情を、心のどこか奥の方に見てしまった気がして、慌てて目をそらした。
 だけど、今度は真正面から私を見つめ続けていた永井さんと目が合って、逸らせなくなってしまって……。


「いつまで、辛い恋を続けるの? 本当に先輩を信じられるなら、サンプリングマリッジをもうやめてもいいんだよ」


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